ハーレーが電動バイクを発売すると発表*しました。
近年発達が目覚ましい自動車の技術ですが、2018年早々にバイクにもその流れが波及してきました。
将来、バイクの技術が大きく変わり始めた年として2018年が挙げられることになるかもしれません。
目次
ハーレーが電動バイク?
電動バイクの発売がハーレーから発表となったことにかなりの衝撃を受けた方も多いのではないでしょうか。
これが先端技術大好きなBMWであれば印象は相当違うでしょうが、ハーレーと言えば性能よりもイメージを重視するメーカーです(性能軽視という意味ではありません)。
あの独特なエンジン音は電動バイクでは聞けなくなるでしょう。加えてガソリンを湯水のように使う今や世界最大の産油国、パリ協定からも離脱したアメリカのメーカーです。そのハーレーが何で?
ハーレーの将来を見据えた戦略
ハーレーの販売台数は残念ながら低下しています。
つい最近ハーレーは2018年のバイク出荷台数の予想を1万台引き下げると発表していますし、本場米国でもハーレーのようなアメリカンバイクの人気はドカティのようなスポーツタイプに人気が移ってきているようです。
そのような中で、他のメーカー同様に世界戦略は避けて通れない道でしょう。
日本での販売を強化した理由もここに有ります。
ただしマーケットの動きは早く、つい数年前に始まった日本でのハーレーブームも傾いてきました。
ネオクラッシックという流行が始まってきており、バイクの注目度がハーレーからトライアンフなどの欧州車に移ってきています。
このような流れの中で、ハーレーはインドなどへの進出を強化する一方で、これまでの自社を否定し新マーケットを開拓する電動バイクへの参入を決めたのではないかと思います。
電動バイクの課題は軽量化とバッテリーの性能向上
既に車の電動化で語りつくされている感もありますが、電動化のキーポイントは「航続距離」です。
特にハーレーのような大陸横断型のバイクの場合には、航続距離が短いのは致命傷です。
逆に通勤や通学でしか使われないようなスクーターにこそ、早期電動化の可能性は高いのです。
航続距離を伸ばすにはバッテリーの性能向上(軽量化+大容量化)と車体の軽量化が必要です。
バッテリーは他業種から買ってくる事が出来るでしょうが、車体の軽量化についてはハーレーにノウハウが有るようには思えません。
この点が技術上の課題かと思います。
これまでのブランドイメージが足かせになる
更に大きな課題点は“ブランドイメージ”です。
ハーレー独特のエンジン音が無い電動バイクをハーレーと呼ばせるのは相当な無理が有ります。
この点がハーレーの首脳陣の最も大きな悩みではないでしょうか。
これは私の想像なのですが、ハーレーは電動バイク用にサブブランドを立ち上げるかもしれません。
2010年に製造販売を中止したBuellのブランド名はまだハーレー社が所有していたかと思います。Buellブランドから発売するというのも選択肢の一つでしょう。
BuellのLightning
ハーレーのエンジンを積んでいました。
私はハーレーを応援する
私はハーレー乗りではありませんし、ハーレーのようなアメリカンスタイルのバイクにはあまり魅力を感じないのですが、今回のハーレー社の決断は心から賞賛します。
More than a Machine(バイクは単なる機械ではなくライフスタイルなのだ)と謳ったハーレーの心意気と、それを実行してきた同社を尊敬するからです。
バイク乗りが減っているという現状ですが、電動バイクはその流れを変えるかもしれません。
その変革の波に敢えて身を投じた老舗メーカー、ハーレーダビッドソンを皆で応援しましょう。