「今まで大変お疲れさまでした。」と自分に言うために、バイクを選ぶ方もいると思います。
空前のバイクブームと言われた80年代を体感した方なら、あの音と匂いに遠い昔を思い出すのかもしれません。
バイクに乗らない方にとっては、うるさくて臭いだけなのに、何故なんでしょうね。
一度好きになったら一生離れられないように感じます。
目次
定年後の趣味は「好きだから」だけじゃない
FPという仕事柄、お客様の定年後のプランは必ずお聞きします。
その中で「趣味」は金額面でも精神面でも大きなウェイトを占めます。
定年を機に新しい趣味を探す方も多いのですが、そこには共通した特徴があります。
趣味を選ぶ際に「好きだ」という視点だけではなく、「体にいい」「永く続けられる」「社会との繋がりが持てる」「老化の防止になる」というような要素を加えていらっしゃるのです。
バイクは認知機能を向上し、ストレスを軽減する
今後の趣味に「体にいい」「永く続けられる」「社会との繋がりが持てる」「老化の防止になる」という要素を求めるなら、定年後の趣味として、バイクを選んでみるのも良いかもしれません。
実はバイクに乗ると認知機能が向上し、ストレスも軽減されることが科学的に証明されているのです。
「バイクで脳トレ」川島教授が世界初の研究結果報告
川島隆太教授はニンテンドー『DS』で大ヒットを記録した「脳を鍛える大人のDSトレーニング」で有名な教授。都内で行なわれた説明会には、多くの関係者が詰め掛けた。
自動二輪を生活のなかで使用すると、さまざまな認知機能が向上することがわかった。特に記憶力や空間認識力が上がる。また、メンタルヘルスに関するアンケートを行なっても、ストレスが軽減し、精神的によい状態に変移したという。これによってバイクを2か月間使用した被験者は、体調がよくなったり、ミスが減ったり、なにごとにも楽しめるようになったそうだ。
出典 : Response
川島教授はご自身でもバイクに乗っていて、愛車はあのKawasaki H2です。
H2に跨る川島教授
出典: 東北大学加齢医学研究所
調査の発端はご自身のバイクライフなのでしょう。
バイクはオシャレになりつつある
オシャレと言う面でも、バイクは魅力的な趣味になり得ます。
かつてバイクショップと言えば、油で真っ黒な手で接客を受けるようなイメージがありました。
確かに今でもそのようなバイク店は在ります。ですが近年、バイクだけでなく、ライフスタイルとして「バイクが有る生活」を提案する店が増えてきています。
そのような店舗では、バイクに合わせたファッションや、隠れ家的なガレージの提案に力を入れています。
近年、ライダースジャケット風のアウターが流行りましたが、バイクはファッションとしても楽しめるようになってきているのです。
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このようなジャケットとバイクを合わせて見るのも、バイクをもう一段深く楽しむ方法です。
バイク+αが世界を広げる
私は不定休で働いているので、平日にバイクに乗る機会が多くあります。
そうすると行く先々で、既に定年を迎えて悠々自適な毎日を送られているライダーにお会いします。
私はそのような方々に「バイク+αの趣味を持つと、楽しみがどんどん膨らんでいく」と教えて頂きました。
アウトドアとバイク
バイクにキャンプ用品などを積んで、テント生活を楽しむ方々です。
バイクキャンプの良さは「その日の天気を見て、泊まる場所を決められる気軽さ」とのこと。
泊まるもよし、泊まらずに走り切るもよし、の自由さに魅力を見出されている方が多いです。
キャンプは行わないまでも、常にバイクに小型ストーブとコーヒーセットを積んでいて、気に入った場所でコーヒーを淹れる方にもお会いしました。
冬の海岸通りでお会いしたのですが、寒い海を見ながらコーヒーを沸かす姿に「自然の楽しみ方を知っている方だな」と感じたのを良く覚えています。
釣りとバイク
釣りを趣味とする方は手先が器用なのでしょうか? バイクに付ける釣り竿用のケースや、クーラーバックなど、上手に自作されている方を多く見かけます。
殆ど人が通らないような側道に、ふいに釣り仕様のオフロードバイクやカブが置いてある事が有るのですが、その近くで人を見かける事は殆どありません。
恐らく道沿いの渓流を伝って、自分だけのスポットを楽しんでいるのだと思います。
温泉とバイク
バイクに乗っていると町内温泉のような場所を巡っている方にお会いすることがあります。
一人でふらっと、こじんまりとした温泉に立ち寄って、ヒグラシが鳴く迄湯につかる。私の大好きな夏の過ごし方でもあります。
山間は夕方になるとちゃんと気温が下がるので、湯上りの風が心地いいんです。有名温泉では味わえない贅沢な時間です。
写真とバイク
カメラに「思いがけない一瞬」を収める。
車では駐車できないフォトスポットにバイクで行く。
小型ストーブを持参し、コーヒーを淹れながら何時間もシャッターチャンスを待つ。
そんな雰囲気を醸し出している方を時々見かけます。
一瞬のシャッターチャンスを待っているのか思うと、近寄り難い雰囲気を感じてしまい、声を掛けられないのですが、きっと思いの詰まった素晴らしい写真を撮っていることでしょう。
今までの人生が集約されるような趣味を
私も40を過ぎてから、ほぼ20年ぶりにバイクに復帰したリターンライダーです。
バイクに限らずどんな趣味でも同じかもしれませんが、年を取ってからの趣味はこれまで経験した様々なことが集約されて、喜びを更に大きくしてくれます。
私の場合には「中学生のころから好きな音楽」「家族と行ったキャンプで知った自然の美しさ」「単身赴任先で出会った皮のジャケットとブーツ」「年を経て分かるようになった、地域食材の旨さ」等がバイクに乗るようになって一気に集約されました。
これまでの様々な経験が、バイクと言う乗り物を通じて一気に纏まってきたのです。
恐らく定年後に始める趣味とは、このようなものではないのでしょうか?
人生を通じて知った、美しいもの、旨いもの、好きなものが集約されるような趣味は、年を取ってからでないと見つける事は出来ません。
ぜひあなたもバイク+αを見つけて、充実した毎日を過ごしてください。