「バイク保険を一日だけ」掛けたい時はどうする?
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「一日だけバイクの保険を掛けたい」場合には、どのように保険を手配すれば良いのでしょうか。

普段はいかない長距離ツーリングや、バイクレンタルをしたいときに、乗る日だけ保険を掛けられたら便利ですよね。そんな時、真っ先に思いつくであろう「ワンデー保険」や「ちょいのり保険」は残念ながらバイクには使えません。

しかし、知人からバイクを一日だけ借りる場合や、レンタルバイクを借りる場合でも、工夫次第で短期の保険を掛けることが出来ます。バイクの保険を一日だけ掛けるのは難しいのですが、金額を抑えつつ保険をかける方法はあるのです。

目次

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バイクの保険 ”1日だけ”に近づく4つの方法

「ちょいのり保険」や「ワンデー保険」などがバイクを対象外としていることもあり、バイクの保険を1日だけかける方法はありませんが、短期で保険を掛ける方法なら4つあります。

バイク保険を短期でかける4つの方法
    1. ドライバー保険に加入する
    2. 今入っている保険に他社運転特約を付ける
    3. 任意保険に加入して他社運転特約を付ける
    4. ファミリーバイク特約を使う

この4つのうち、どの方法が最も良いかは、自分がバイクを持っているか、保険を掛けるバイクの排気量は幾つか等により変わります。最善の方法を選べるように、チャートを用意しましたので、先ずは自分に合った方法をチェックしてみて下さい。

バイク保険を一日だけかけたいときにどうすれば良いのかを選ぶためのツリー。YesかNoかを選択すれば、最適な保険の掛け方が分かるようになっている。

 

自分がどれに該当するか、決まりましたでしょうか。それでは①の「ドライバー保険に加入する」から順に説明します。

ドライバー保険に加入する (①になった方)

バイクを持っていない方にはドライバー保険がおススメです。

ドライバー保険は通常の任意保険とは違い、『バイクを持っていない人がバイクに乗るときだけを補償する』保険です。バイクを持っていない人がこの保険に入ると、その人が乗るバイクは全て補償されます。

ドライバー保険は多くの保険会社が出していますが、バイクにも使えるドライバー保険は限られています。三井ダイレクト損保の「eドライバー保険」と損保ジャパン日本興和の「ドライバー保険」はバイクもカバーするので、この2社を検討すると良いでしょう。

どちらの保険会社も1年間契約ですので、一旦は年間契約を結ばなければなりません。ですがどちらも中途解約が可能で、解約時には保険料のうち残った期間分の保険料が返金されます。(ただし残った期間の計算は1か月単位の切り上げで行われるので、最も多くても11か月分の返金です)。

ドライバー保険の注意事項

eドライバー保険も、ドライバー保険も、あなたがバイクを持っていると使えません。また、同居の家族や配偶者が持っているバイクや、たとえ他人のバイクでも、実質的にあなたが持っているバイク(借りっぱなしになっているとか)に乗った場合も保険は効きませんので、注意してください。

ドライバー保険を契約したい場合には、こちらから手続きを行うことが出来ます。

もし知り合いの保険代理店がある場合には、そちらを経由して加入した方が良いと思います。良い保険代理店で契約すると、事故に遭った際に力になってくれるからです。

 

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他車運転特約を今のバイク保険に付ける (②になった方)

もしあなた自身がバイク保険に入っていて、知人からバイクを借りる場合や、レンタルバイクを借りる場合には「他車運転特約」が使えます。

他車運転特約は、借りたバイクをあなたのバイクと見なして補償してくれる特約なので、もし借りたバイクで事故に遭っても、自分のバイクと同じように補償が得られます。

もしも、あなたが加入しているバイク保険に「他車運転特約」が付いていないなら、一時的に付けることも出来ます。バイクを借りる前に他社運転特約を追加して、バイクを借り終わったらまた外せばいいのです。

特約を追加する手続きは保険を代理店経由で加入しているなら、代理店に依頼します。ダイレクト型(ネット経由での加入)の方は、保険のマイページで手続きが出来ますが、他車運転特約は条件が変更されることが珍しくないので、出来るだけコールセンターに電話することをおススメします。

 

他車運転特約が使えないバイク保険もある

中には他車運転特約が選べない保険会社もあります。参考までに、2019年1月時点ではこのようになっています。

他車運転特約が付けられる保険会社と付けられない会社の一覧表

今契約している保険会社が、他車運転特約を扱っていなかったり、保険を掛けたいバイクが適用範囲に入っていない場合には、保険会社を変えなければなりません。

これはかなり面倒だと思いますが、万が一事故で負う被害を考えると、無視してよいとは思えませんよね。保険会社の変更が必要な場合には、こちらから価格や条件を指定して見積もりを取る事が出来ますので、チェックだけでもされてみては如何でしょうか。

他車運転特約は大変便利な特約ですが、補償条件が少し複雑です。また他車運転特約は他人のバイクをあなたのバイクと見なして補償するため、借りたバイクを壊した場合の扱いも少し特殊です。詳しくは他車運転特約をご参照ください。

 

自動車保険の他車運転特約はバイクには使えません

他車運転特約は、殆どの自動車保険に付けることが出来る、とても一般的な特約です。しかし四輪自動車の任意保険に付いている他社運転特約は、「自家用8車種」しかカバーしません。

自家用8車種とは、

  • 自家用普通乗用車(3ナンバー車
  • 自家用小型乗用車(5ナンバー車、7ナンバー車)
  • 自家用軽四輪乗用車(軽自動車)
  • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン超2トン以下の貨物車)
  • 自家用普通貨物車(最大積載量0.5トン以下の貨物車)
  • 自家用小型貨物車(4ナンバー車 商用タイプのバンなど)
  • 自家用軽四輪貨物車(いわゆる軽トラ)
  • キャンピングカー

の8種類です。残念ながら、バイクは入っていません。

借りたバイクを他社運転特約でカバーするには、バイクの任意保険に入らないといけないのです。

バイクの任意保険に加入して他車運転特約を付ける (③になった方)

自分のバイクを持っているけど、任意保険には入っていない。しかも他人のバイクを借りる。これは正直に言わせて頂くと、かなり危険な状態です。交通事故の賠償金は年々上がっていて、数億円の負担になることも珍しくありませんが、自賠責保険(強制保険)がカバーするのは、最高でも4千万円です。しかも自分のケガには1円も出ません。

どうして、自分のかけた保険から、お金がもらえないのか?
知らないときっと後悔します。

任意保険に加入するためには、こちらから相見積もりを依頼してください。見積もりを取る際には、借りるバイクではなく、自分のバイクの情報で見積もりを取ってください。他人のバイクに直接保険を掛ける事は出来ません。先ず自分のバイクに保険をかけ、他社運転特約を付けることで、他人のバイクも補償範囲に含めるのです。

見積もり時に入力する希望補償内容は、最低でも次のようにして下さい。

  • 対人賠償責任保険金額: 無制限
  • 対物賠償責任保険金額: 無制限

また、搭乗者傷害保険か人身傷害補償のどちらかは必ずつけて下さい。
どちらかを付けないと、自分のケガへ対する保険金が全くおりません。

搭乗者傷害と人身傷害のどちらを選ぶか迷ったら、このように考えると分かり易くなります。

  • とにかく保険料を安くしたい → 搭乗者傷害保険金額 1000万円 人身傷害補償金額:なし
  • 自分のケガに対する補償を充実させたい : 搭乗者傷害保険金額 なし 人身傷害補償金額:3,000万円

ただし、この条件は見積もりを取るための目安ですから、各社から提示される見積もりを見て補償内容を変えて下さい。

繰り返しますが、

対人賠償責任保険金額:無制限
対物賠償責任保険金額:無制限

だけは絶対に削らないでください。

この2項目を削っても保険料はあまり下がりませんが、補償内容は天と地ほど変わってしまいます。

ファミリーバイク特約を契約する (④になった方)

保険を掛けたいバイクが125cc以下で、あなたが自動車保険(任意保険)に加入しているなら、ファミリーバイク特約が使えます。ファミリーバイク特約は、自分や家族が乗る125cc以下のバイクならば、全て補償の対象となる大変便利な特約です。

ファミリーバイク特約を付けるには、現在契約している保険会社にその旨を伝えて下さい。ネット型保険の場合には、オンラインでも手続きできます。

他車運転特約と違って、ファミリーバイク特約は会社による違いがほぼ無いので、あまり神経質にならなくても大丈夫なのですが、場合によっては、ファミリーバイク特約を付けるよりも、バイクの任意保険を契約したほうが安くなる事もありますので、先ずは自動車保険会社に追加保険料の算出を依頼し、同時にこちらからバイク保険の見積もりを取って、双方を比較することをおススメします。

ファミリーバイク特約の落とし穴

ファミリーバイク特約はとても便利な特約ですが、通常のバイク保険よりも補償内容が劣ることがままあります。もともとの自動車保険の内容以上の補償は得られないだけでなく、自分のケガが補償の対象外となるケースもありますので、十分に注意してください。

詳しくはこちらの記事をご参照ください。

バイク保険の基礎用語 : ファミリーバイク特約とは

「保険に入っているから大丈夫」と言われても信用しない!

もしバイクを貸してくれる人が「ちゃんと保険に入っているから大丈夫だよ」と言っても、安易に信用してはいけません。保険入っていても、持ち主以外の事故はカバーされないことがあるからです。借りるバイクが保険に入っていてても「運転者限定特約」が付いていると、持ち主しかカバーされません。

運転者限定特約は予め登録されたライダーしか補償しないことを条件に、保険料を安くする特約なので、よほどお金に余裕があるか、知人にバイクを貸しまくっている人でもない限り、この特約を付けているはずです。

運転者限定特約で登録されるライダーの範囲は「本人だけ」「本人と配偶者」「本人とその家族」などがあり、これら以外のライダーが運転している時の事故は補償されないこととなっています。もし運転者限定特約が付いていなければ、そのバイクを借りて乗る人も補償範囲に含まれます。

一方で年齢条件は、知人や別居の親族は対象とならないことを覚えておきましょう。たとえば20歳以上補償という年齢条件の保険が掛けられているバイクに、19歳の友人が乗り事故を起こしても、保険金は支払われます(運転者限定特約が付いていない場合に限ります)。確認すべき事項は年齢制限ではなく「運転者限定特約」です。

知人のバイク保険を使う時の注意事項

例え知人の保険でのカバーが可能だとしても、知人の保険から保険金を得てしまうと、その後3年間は知人の保険料が上がってしまいます。

自動車保険やバイク保険には等級と言う考え方が有ります。等級は保険金の請求歴が少ないほど、保険料の割引率が良くなるという仕組みなので、知人の保険から補償を得れば、知人の保険等級が下がり、翌年からの保険料の割引率が悪くなるのです。

保険等級においては、誰が事故を起こしたのかは関係がありません。保険金の請求が行われることで、等級が下がるのです。この点は十分に認識しておいて下さい。(保険請求をしても等級に影響を与えない場合もあります。詳しくはこちら。)

レンタルバイクに付いている保険は全く役に立たない!

レンタルバイクを借りる場合には、レンタル会社の提供する保険に入るのが一般的ですが、補償内容はお世辞にも充実しているとは言えません。例えばバイクレンタル大手のレンタル819の場合、保険内容はこのようになっています。

レンタル819でバイクを借りる時に加入する保険の補償内容
対人賠償   無制限
対物賠償   1,000万円 1事故につき、免責5万円

搭乗者傷害  500万円 死亡または後遺障害のみ、原付を除く

出典 : レンタル819

一見、キチンと補償されているように見えます。しかしこの内容を詳しく説明するとこのようになります。

あなたが起こした事故でケガをした相手に対しては、無制限に保険金を払います。しかし壊してしまった他人の物については1,000万円までしか払いません
ちなみに1,000万円のうち5万円は免責となっているので、5万円まではあなたが払ってください。保険から支払われるのは995万円が上限です。
また物に対する賠償金額が1,000万円を超えた場合には、保険会社は示談交渉を行えませんので、ご自身で示談交渉を行ってください。
次にあなたのケガについてですが、あなたが死亡したり後遺障害が残った時には500万円を上限に保険金が出ますが、それ以外のケガは補償されません。

如何でしょう?これでは保険の意味を殆ど成していません。

レンタルバイクを借りる時に、追加保険料を支払って補償内容を充実させることが出来るとお考えかもしれませんが、追加できるのは車両保険です。あなたの体や物、事故で壊してしまった他人の物への補償は追加できません。では、どのように保険を充実すれば良いのでしょうか?

レンタルバイクでも他車運転特約やドライバー保険が使える

実は他車運転特約やドライバー保険は、レンタルバイクまでカバーします。ですからレンタルバイクで補償されない範囲は他車運転特約やドライバー保険で補ってください。

保険会社によっては他車運転特約の補償範囲を制限していますので、他車運転特約でレンタルバイクをカバーしようとする場合には、自分が契約している保険会社に必ず確認の上実行してください。

 

まとめ : バイクには「ワンデー保険」や「ちょいのり保険」は使えない

車に乗るときだけ保険に入れる「ワンデー保険」や「ちょいのり保険」は、とても使い勝手が良い魅力的な保険ですが、補償内容には注意が必要です。

次の車は補償されません

自分や配偶者が持っている車 ・ 会社の車 ・ レンタカー(カーシェアリングを含む) ・ 一部の高額車両 ・ バイク

このワンデー保険やちょいのり保険は四輪自動車を「友人から借りた」とか「親戚から借りた」場合、或いは他人の四輪自動車に乗っていて、一時的に運転を代わる場合などだけに使える保険です。

バイクは全面的にダメです。

名称のイメージだけで判断すると危険ですので注意してください。

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