逸失利益とは交通事故などが原因で、被害者が得られなかった利益のことを言います。
事故がなければ、その後にもらえていた給料なども算入されます。
但し、単に給料の額ではなく、手元に残ったであろう利益を算出する為に、生活費などを引いて算出します。
目次
逸失利益の計算方法
逸失利益は以下のように算定すると、保険約款にて定められています。
後遺障害を負った場合と、死亡した場合で算定式が異なります。
後遺障害の逸失利益=収入額×労働能力喪失率×ライプニッツ係数
死亡時の逸失利益=(収入額-生活費)×ライプニッツ係数
労働能力喪失率の確認方法
労働能力喪失率とは、後遺障害によって、仕事がどの程度出来なくなってしまったかを表します。
後遺障害認定と密接に関連していて、後遺障害等級により喪失率も決まります。
後遺障害と喪失率については、こちらの記事でご確認願います。
生活費の算出方法
生活費は扶養している方の人数で決まります。
被扶養者がいない場合 | 収入の50% |
被扶養者が1人 | 収入の40% |
被扶養者が2人 | 収入の35% |
被扶養者が3人以上 | 収入の30% |
ライプニッツ係数とは
ライプニッツ係数とは平たく言うと「今後得られたであろう収入を、今いっぺんに受け取たら幾らになるか」を数値化したものです。
そのため被害者が若ければ数値が上がり、年配であれば下がります。
実際の表はこちらでご覧いただけます。
実際の金額はどうなる
50歳で年収500万円、3人家族の方が事故により死亡されたとして、実際の支給額を見てみます。
年収:500万、扶養家族2人の生活費率、50歳のライプニッツ係数を算定式に当てはめると以下のようになります。
(500万‐500万×35%)× 11.274=3,664万円
このように、逸失利益は3,664万円と算定されました。
逸失利益は保険会社が支払う補償にも関係する
この逸失利益という考え方は、保険会社が支払う補償額の算定や裁判所が認定する賠償額など、様々な場面で用いられますので、考え方は知っておいた方が良いでしょう。
尚、逸失利益と慰謝料はその意味合いも、算出方法も異なりますので、混同しないようにしましょう。