バイクの単独事故、自損事故は面倒でもかっこ悪くても届け出よう
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バイクの単独事故。

出来れば知られたくないものです。

バイクは車と比較して「乗り方が上手いか下手か」が注目されやすく、ライダーも「上手く乗れているかどうか」が気になる為に、単独事故をカッコ悪いと感じてしまいがちです。

その気持ちは大変良く分かるのですが、取るべき対応は取っておかないと後々困ることになります

 

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単独事故と自損事故

単独事故と自損事故、呼び方は違いますが意味は同じです。どちらも相手がいない事故のことです。

例えばバイクで転んでケガをしたとか、電柱にぶつかった等が該当します。

ここで注意しなければならないのは「相手がいない」と、「ぶつからなかった」や「相手に被害はない」とは違うという事です。

例えば飛び出してきた車を避けようとして自分は転んだが、相手の車にはぶつかってないため、車にも相手にも被害が無いような事故は単独事故とも自損事故とも言いません。

これは非接触事故或いは誘因事故と言い「ぶつかってはいないけれど、相手はいる事故」とされます。

単独事故・自損事故とは、自分一人で事故となった場合を言います。

 

単独事故はどれくらい起こっている?

最近、車でアクセルとブレーキを間違えてコンビニへ突っ込んだとか、駐車場から落ちたとかの事故をよく耳にします。

これらは自動車の単独事故の例ですが、バイクの単独事故はどれくらい起こっているのでしょうか。

以前の記事「バイク事故は4割減らせる! バイク事故の主な原因」でご紹介しましたが、バイクの死傷事故は単独事故の割合が高く、全体の37.5%を占めています

その内訳は以下の通りです。

【二輪車単独死傷事故の原因】

転倒(衝突無し) 30%
ガードレール・家屋・塀等への衝突 22%
橋梁等への衝突 16%
分離帯等への衝突 9%
電柱・標識等への衝突 7%
駐車している車への衝突 7%
転落 3%
その他 6%

(財)交通事故総合分析センター 平成15年度統計より

 

単独事故を起こす前に知っておくべきこと

単独事故を起こしてしまった場合に備えて、予め知っておくべき事項がいくつかあります。

先ずは事故を起こしてから知ったのでは手遅れになる事柄からみてみましょう。

事故の後に知ったのでは意味がない事柄なので、頭に入れておいてください。

単独事故は自賠責保険の対象にはならない

自賠責保険は事故により被害を受けた方の人体への損害を補償するものです。

そのため単独事故は補償対象とはなりません。

確かに単独事故によりライダーはケガを負いますが、補償外となります。

相手がいる事故の場合には非接触事故であっても補償されるのですが、その場合は相手の車が加入している自賠責保険で補償されるのです。

相手がいない事故では、そもそも補償する自賠責保険(相手の保険)が存在しないので、補償されることはありません。補償してくれるのは自分の任意保険だけです。

参考記事 : 任意保険と自賠責保険の違い

 

警察への届け出はその場から行う

単独事故を起こしてしまっても、自分に深刻なケガなどが無い場合、ともすれば警察への連絡を行わなかったり、連絡が遅れたりしがちです。

しかし必ず現場から連絡をしましょう。連絡しない場合には次のようなリスクを負ってしまうからです。

  1. 後から連絡すると警察に事故内容を疑われる
  2. 任意保険会社に保険請求が出来なくなる

 

実はこの2点は密接に関係しています。

例えば自損事故が原因で後から体に異常が起きた場合、普通であれば保険会社に治療費を請求できるのですが、それには「事故が原因でケガをした」という証明書が必要になります。

その証明書とは警察が発行する「事故証明書」なので、警察にしか発行できません。

後から警察に事故証明の発行を求めたとしても、警察は「現場から逃げたのは、何かしら隠したい事があったのではないか」と考えるので、書類が速やかに発行されないのです。

ですから事故の報告は事故現場からすぐに行う必要があるのです。

単独事故を起こしてしまったら、先ずは警察へ連絡して事故証明書を発行してもらえる状態を整えましょう。

 

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単独事故を起こした後の手続き

事故後の手続きについて、知っておいた方が良い事項は次の通りです。

ケガの治療には健康保険が使える

交通事故のケガには健康保険は使えないと考えている方がいますが、その心配は無用です。

ただし少しだけ手続きが必要です。健康保険組合に対して「第三者行為による傷病届」を提出しなければなりません。
上記のリンク先には「自損事故」の記載が有りませんが、ダウンロードできる届出用紙には「自損事故」と記載有りますのでご安心ください。

加入中の健康保険組合により書式や手続きが異なることがありますので、必ず事前に保険証に記載された問い合わせ先へ手続き方法を確認してください。
国民健康保険に加入されている方の問い合わせ先は、お住まいの自治体です。
また、会社での業務中の事故の場合には、健康保険ではなく労災保険の対象となりますので、勤務先の担当者に手続きを依頼する必要があります。

 

違反点数の加点は無い

自損事故・単独事故が原因で「違反点数」が付いてしまうことはありません

ただし事故の原因が違反行為である場合には、点数がついてしまうかもしれません。特に飲酒が原因であればその可能性は高いでしょう。

その他の違反行為は事故状況から明らかに分かる場合(一方通行の逆走など)以外は加点されないことが多いようです。

 

対物賠償保険を使うかどうかは検討が必要

全ての任意保険には対物賠償責任保険が付いており、中には補償金額を無制限とすることを条件としている保険会社もあります。

対物賠償責任保険は事故により他人の物へ損害を与えた場合に、その修理費用を補償するものです。

【二輪車単独死傷事故の原因】でも触れたように、単独事故の6割は他人の物(ガードレール・家・電柱・車など)へ損害を与えているので、対物賠償責任保険がカバー出来る内容は多くあります。

しかしこれらの修理費用を保険から支払うと、翌年からの保険等級が変わり、その後3年間は割高な保険料を支払わなければなりません。

ですから保険料金が上がってでも保険会社に賠償金を負担させるべきか、賠償金は自分で払い保険料を上げないようにするかの検討が必要です。

特に初めて保険に加入してからの2年間は、等級が下がることによる料金の上げ幅が大きいので注意が必要です。

トータルで見てどちらが得になるのかは、保険会社に問い合わせてみると良いでしょう。キチンと回答してくれるはずです。

参考までに賠償の対象となりそうな物の、凡その金額を記しておきます。

 

ガードレールの修理費用

1メートルあたり5万円
物の費用は数千円なのですが、工事費用が入るので金額がアップしてしまいます。

 

電柱の修理費用

~60万円
電柱自体の金額よりも、工事費や電柱につながっている電線への破損が深刻です。

もし停電が起こってしまい、近隣に停電被害が生じた場合には、その賠償責任が加算されるので、60万円では到底収まらなくなります。

 

標識やカーブミラー

10~15万円

 

車両・家・店舗

これらは単にモノを治す費用だけではなく、被害者が負った損害が加算される可能性が高く、大変高額になりがちです。

例えば店舗なら、売れなくなった商品の代金や、休業となった期間に得られるはずだった利益、働けなくなった従業員への補償などが入りますし、家であれば修理期間中の仮住まい費用なども入るでしょう。商品運搬用の自動車なら、代車費用や積み荷の代金が入るかもしれません。

これらの補償が加算された場合には、賠償金額が1,000万円を超えても何ら不思議ではありません

 

自分のケガへの補償は積極的に使おう

対物賠償責任を使った場合には、翌年からの保険料に影響を与えますが、自分や同乗者のケガを補償する搭乗者傷害保険や、人身傷害保険は使っても翌年からの保険料に影響しません

また治療費は継続的に発生するので、事故直後には金額が確定できないことも多くあります。

何よりもお金を理由に治療が疎かになってはいけません。

ですからこれらの補償は積極的に活用しましょう。

ただし同じケガへの保証でも「搭乗者傷害」と「人身傷害」では、支払われる金額の算定方法と支払われる時期が全く異なります。

詳しくは「人身傷害補償特約と搭乗者傷害保険の違い」を参照してください。

バイクの修理費用は保険から出るか

自損事故でバイクが壊れた場合、保険で直せるのでしょうか?

まず対物賠償保険で修理することは出来ません。

対物賠償は「対物」と記載されていますが、あくまでも賠償(弁償)しなければならなくなった時に使える保険です。

つまり自分が壊した他人の物についてのみ、保険が出るのです。ちなみに借りている物を壊した場合には、他人の物であっても保険の対象にはなりません。

 

加入している任意保険に車両保険が付いているなら、修理費が払われる可能性があります。

車両保険には「一般の車両保険」と「車対車のみ補償」の2種類がありますが、自損事故が補償されるのは「一般の車両保険」で契約している場合だけです。

ちなみにバイクに車両保険を付けられる任意保険はあまり多くありません。付けられたとしても会社により補償内容が違います。詳しくは「バイクの車両保険」に記載していますので、ぜひご参照ください。

 

警察にも保険会社にも届ける必要が無い事故

最後に届け出が不要な事故を記します。届けても意味がない事故と言った方が適切かもしれません。

それは自分の持ち物(自宅やガレージなど)への損害しか発生していない事故です。このような損害は保険の適用が受けられません。

特約などでカバーされていない限り、このような事故による損害は自己責任・自己負担となります。

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