どうしてもバイクに乗りたい、でも保険料は節約したい。これが本音と思います。
私もバイク乗りなので気持ちは良く分かります。
バイク保険は21歳になるまでが、とにかく高いです。この傾向は125ccでも250ccでも等しく見られます。
保険料は21歳になると急に下がってくるのですが、その下げ幅を最大にするためには、出来るだけ早く任意保険に入って、21歳までに等級を上げておくことが大切です。
目次
バイクの保険料金の決まり方
バイクの保険料を決める要素は多くありますが、最も大きく影響するのは次の3つです。
- 年齢
- バイクの排気量
- 等級
また、補償内容としては人身傷害保険を付けるかどうかで、金額がかなり変わります。
ここでは参考として保険会社大手2社と、共済保険の見積内容を掲載しています。
実際の見積もりを取る前に、バイク維持費の参考として使っていただければと思います。
参考記事 : 任意保険の保険料はどのように決まる?
バイク保険 比較の前提
比較を行うための見積もりは以下の条件をもとに、三井ダイレクト、チューリッヒ、全労済に作成してもらいました。
バイクの保険の排気量は、125cc未満と125cc以上の2区分に分けられています。つまり50cc~125cc未満は全て同じ保険料であり、125cc以上はどれだけ大きくても同じ保険料です。
2018年5月注記:一部保険会社が区分の変更を始めました。400cc未満とそれ以上で保険料が異なる可能性が有ります。
また、自分のケガに対する補償としては、次の2パターンを見積もっています。
後に掲載する一覧をご覧いただければお分かり頂けますが、搭乗者傷害を選ぶか、人身傷害を選ぶかで保険料が全く違ってきますので、あえてこの部分は2パターンに分けて検証しました。
全労済は保険金額の最低設定が通常の保険より少し高くなっています。
その為、全労済に限り搭乗者保険500万、人身傷害保険5,000万円で算出されています。
これ以外の項目(特約など)については、最も保険料が安くなる選び方をしています。
但しこの設定は金額の比較のために行っているもので、補償内容として推奨している内容ではありません。
見積もり結果は人により違う
ネット系保険は膨大な過去データをもとに保険料を算出しているので、金額は人により異なります。
等級がもっと高い方は、ここに掲載されている保険料より安くなりますし、年齢が一つ違う、住んでいる都道府県が違うだけでも保険料は動きます。
このページの結果はあくまで参考として頂き、最終判断は保険会社からの提示をもとに行ってください。
16歳~17歳のバイク保険契約について
18歳になるまでは、自分の名義での見積もりを取ることが出来ません。
見積もりを取る際には保険契約者を親などの成年者とし、バイクの運転者を自分として見積もりを取る必要があります。つまり親の名前や生年月日を登録する必要がありますので注意してください。
メールアドレスなどは親等のものでなくても大丈夫ですが、実際に契約となった場合には親等の協力が必要となる可能性が高いことは忘れないでください。
尚、契約の諸条件は保険会社により異なります。先ずは見積額を確認し、保険会社の目星をつけた後に、その保険会社の条件によっては親等の合意が必要となります。
バイク保険料 各社の比較結果
各社の保険料を比較します。結果は補償の組み合わせ別に記しています。
搭乗者傷害のみを選択した場合
先ずは搭乗者傷害を付けて、人身傷害を付けない場合です。
搭乗者傷害の方が、ケガの時に保険会社が支払う(自分がもらえる)治療費が安くなる傾向にあるので、保険料も安くなります。
125ccまでのバイクで搭乗者傷害のみを選択した場合
125ccまでのバイクについては、全労済の圧勝です。走行距離に関わらず、この金額での見積もりとなりました。ただし全労済のマイカー共済は、バイクに限りロードサービスが付きません。
fa-exclamation-circle2018年11月4日追記
2019年より全労済のバイク保険でもロードサービスが使えるようになります。
バイクもOK! 全労済のロードサービスがパワーアップ
125ccまでのバイクの場合には全労済はかなり使い勝手が良い保険です。
125ccを超えるバイクで搭乗者傷害のみを選択した場合
125ccを超える場合の見積額はこのようになりました。
125ccまでとかなり金額が変わりますが、125ccを超えると250ccのオフロード車でも、1,300ccのアメリカンでも保険料が同じになってしまいます。
250ccクラスに乗る方には少し酷な条件ですね。
三井ダイレクトと全労済には、年間走行距離による保険料の差がありませんので、長距離を走るのであれば1番安いチュ―リッヒよりも、2番目に安い三井ダイレクトがお勧めです。
人身傷害を選択した場合
次に搭乗者傷害ではなく、人身傷害を選んだ場合です。
人身傷害は多額の保険金が支払われることがあるので、保険料も高くなります。
125ccまでのバイクで人身傷害を選択した場合
搭乗者傷害を選択した場合同様に、全労済の圧勝です。
繰り返しとなりますが、全労済にはロードサービスが付きませんので、ロードサービスはクレジットカード付帯サービス等で別に手配する必要が有ります。
fa-exclamation-circle2018年11月4日追記
2019年より全労済のバイク保険でもロードサービスが使えるようになります。
バイクもOK! 全労済のロードサービスがパワーアップ
125ccを超えるバイクで人身傷害を選択した場合
3社のうちチューリッヒは、125ccを超える20歳までの契約の場合には、人身傷害を選ぶことが出来ません。
そのため、三井ダイレクトと全労済の比較となりました。
このあたりから保険料が一気に上がります。
ファミリーバイク特約は125ccまでなら一つの選択肢
125ccまでの場合には「ファミリーバイク特約」を比較検討すると良いと思います。
バイク保険の補償内容には劣ることがありますが、価格が大きく下がる可能性があります。
搭乗者傷害と人身補償 バイク保険ではどちらを選ぶ
保険料だけを比較すると人身傷害保険を削りたくなると思いますが、人身傷害を付けると付けないとでは、事故の際に得られる保証が全く違ってしまうので、安易に外さない方が良いでしょう。
参考記事 : 人身傷害補償特約と搭乗者傷害保険の違い
125ccまでのバイクの場合には、年間の保険料の差が全労済で12,000円程度、月あたり1,000円です。
月1,000円の差で人身傷害を選べるなら、人身傷害を選ぶメリットは大いにあります。
125ccを超えるバイクの場合には、人身傷害を選ぶと年間26,890円高くなります。
この金額を高いとみるか安いとみるかは人により異なるでしょうが、搭乗者傷害に比べて、人身傷害は補償範囲も額も優れていますので、私としては人身傷害を選ぶことをお勧めします。
fa-exclamation-circleバイクの貸し借りをするなら
知人とバイクの貸し借りをする場合、保険の扱いが少し複雑です。詳しくはこちらの記事を参照してください。
バイクを知人から借りるときの保険のかけ方
バイク保険料がガクンと下がる21歳までをどう乗り切るか
20歳以下の方の場合、21歳になるまでの保険料が高い期間をどのように乗り切るかが悩みどころだと思います。
私なりに解決案を考えてみました。
①バイクを自分で持つのは先送りにして、レンタルバイクを活用する。
自分のバイクを持たないなんて考えられない、という方もいるでしょう。
ですが、考えようによっては色々なバイクにとっかえひっかえ乗れるというのは、大きな魅力なのではないでしょうか。
詳しくは「格安でキレイなバイクに乗る方法」を参照してください。
但し未成年にレンタルしてくれる会社は多くは無いので、頑張ってレンタル先を探す必要は有ります。
②バイク保険は搭乗者傷害とし、保険料を節約。 事故の時にはその他の保険で補う
①の案よりも受け入れやすいのではないでしょうか。
提案内容としてもFPっぽいので、私の面目も保てますかね(笑)。
詳しくは「搭乗者傷害保険では不十分な治療費をどのように用意するか」を参照してください。
しかし人身傷害を契約する方が良いということは忘れないでください。
保険料の出費は厳しいと思いますが、金額だけで保険内容を決めてしまわないでください。
20歳以下の方が不幸にも事故にあい、大きな賠償責任を負ってしまうと、その後一生涯賠償金を払い続けなければならなくなります。先ず親が賠償金を払い、その後自分が賠償金を払う事になるので、家族への負担も相当なものになります。
あるいは自分のケガで多額の医療費がかかってしまっても、結果は同じです。
そのような事態を避けるために、21歳になるまではバイクの購入費を落してでも保険は削らない方が良いと思います。
きつい出費と思いますが、若いということは将来への影響が大きいということです。
今だけを考えない方が良いです。
保険料は21歳を超えた時点と、2年間無事故で過ごした時点で大きく下がります。
先ずはこの2つの時期が来るまでは、その後も永くバイクを楽しむための下地作りと考えて欲しいと思います。
未成年の間は、親の同意と協力が有った方がいい
未成年でバイクに乗る場合には、親が良い顔をしないこともあるでしょう。
ただし保険の観点からしても、親の同意は得ておいた方が良いです。
事故で負った責任は親に降りかかる
自分が好むと好まざるとに関わらず、未成年者が事故で負った責任は親も連帯して負います。
もし保険未加入で多額の賠償責任を負った場合、自分の家族全員が貧困への道を歩んでしまうリスクが有ります。
その時になって悔やんでも、責任は自分に有るのだと訴えても、社会的に認められることは先ずないでしょう。
参考までに記しますが、事故を起こした方が負った高額賠償責任は以下のようになっています。
- 賠償金額 5億2,843万円
平成23年に、41歳の眼科医が死亡した事故の賠償金額です。
賠償金には、被害者が今後得たであろう収入も加えられます。
そのため、お医者様などの高額所得者相手に事故を起こすと、賠償金額も跳ね上がります。
因みにこの事故は、被害者が酔っ払って横断禁止の道路を横切り、道路の真ん中で立ち止まっていたために起こった事故です。
しかし5億を超える賠償金がドライバーに課せられました。
もしあなたがドライバーだったら、この事故を防げたでしょうか?
- 賠償金額 3億9,729万円
同じく平成23年に、21歳の大学生が被害に遭った事故です。
この被害者は死亡は避けられたのですが、重い後遺障害が残りました。
本人の悪ふざけで車のボンネットに乗っていたのを、友人のドライバーが車をゆっくり走らせたことで起こった事故です。
ちょっとハンドルを切ったところ、被害者が転落し脳に重い障害が残りました。
未だ年齢が若かったことから、将来の逸失利益(失った利益のこと、普通に生活していたら得られたであろう収入)と慰謝料が高額になっています。
被害者の悪ふざけが原因で起こった事故です。
あなたには起こらないと言えるでしょうか?
- 賠償金額 3億6,756万円
平成17年に、33歳のバイカーが左折車に轢かれて、手足が全く動かないという後遺障害となった事故です。
被害者は、呼吸も難しい完全介護が必要な状態となりました。
そのため逸失利益に加えて、介護生活を送るために必要な住宅の改築費用などが賠償金に含まれています。
ちなみにこの事故は加害者の急な左折行為が原因です。
加害者の過失割合が95%となっています。
このように、加害者となってしまった場合には、大変大きな責任を負ってしまいます。
ちなみに一般的なサラリーマンが一生涯に稼ぐ給料は、退職金を加えて2億7千万円と言われています。
もし未成年者が5億2,843万円の賠償責任を負ったとしたら、親の全ての給料を賠償に当てても2億6千万円ほど足りません。
5億2,843万円の賠償は親の全給料と、未成年の加害者が今後稼ぐ全給料を全て賠償に回してようやく返せる額です。
任意保険に入り、対人賠償を無制限としておけば、この金額の全額を保険会社が払ってくれます。
保険の金額を引き下げるためには親の協力が絶大
親の協力を得られると、バイクの保険料を引き下げられる可能性が有ります。
この検討は少々レベルが高いので、検討するには保険会社などの協力が必要ですし、実施可能だとしても親の協力が不可欠です。
- ファミリーバイク特約を使う
あなたや親、或いは同居の家族が自動車保険に加入していて、あなたが乗るバイクが125CCまでならファミリーバイク特約を検討しましょう。
価格が大きく下がるかもしれません。
但し普通のバイク保険に比べて、補償内容が薄い場合が有るので、その点は十分に理解してください。
- 親の等級を引き継ぐ
親がバイクの保険に入っている場合、或いは以前入っていて解約から10年以内で中断証明書を取っている場合には、親の等級を引き継げる可能性が有ります。
保険料が決まる3大要素(①年齢②バイクの排気量③等級)のうちの1つが改善されるので、価格も変わってきます。
ここで注意が必要なのは、引き継げるのはバイク保険の等級です。自動車保険の等級ではありません。
また見積もり手続きの際には「親の等級を引き継ぐ」ことを保険会社に伝え、契約前に保険会社の承諾を取る必要が有ります。
この引継ぎの申し出は、引き継ぐ方(=親など)が申し出なければいけません。
未成年者がバイクに乗ったり車を運転するということは、自分が好むと好まざるとに関わらず、親に大きなリスクを負わせることになります。
一方で親の協力が有れば保険料を下げられる可能性が有ります。
親に相談し協力を得れば、家族にとって最良の解決策を見つけましょう。
20歳までのバイク保険に幾らかかるのか
20歳以下の相場を調べてみましたが、参考になりましたでしょうか。
多くの価格が出てきてしまっているので、結局幾らかかるのか、金額が掴みにくいと感じた方も居るのではないかと思います。
保険料は実に様々な要素で変わります。結局のところ、一人ひとり値段が違ってしまうのです。
もっと現実的な保険料を知りたい場合には、次の条件で、見積もりを取ってみて下さい。
最も基本的な保障内容です。
年間走行距離 : 3,000km
対人賠償責任 : 無制限
対物賠償責任 : 無制限
人身傷害保険 : なし
搭乗者傷害 : 1,000万円
自損事故傷害特約 : 有り
無保険車傷害特約 : 有り
(保険会社により、少し呼称が違う場合があります)
見積もりを依頼すると、保険会社がマイページを作ってくれます。そうしたらそのページの中で条件を次のように変えて下さい。こちらの条件は、お金をかけてでも良い補償を得ることを考えています。
- 人身傷害保険を3,000万円にする
- 搭乗者傷害を外す
両方の金額が出たら、①と②の条件で算出された金額をベースに予算を立てて下さい。最終的な保険料の額はこの2つの価格の間になるはずです。
見積条件①が最低限の価格です。これ以上保障内容を下げてしまうと、事故の際のリスクが大きくなりすぎます。
金額を検討する中で、保険に掛けられるお金に余裕が有るならば、見積条件②を選ぶことを検討してください。
もし見積条件①の保険料も払えないなら、大変残念ですが今はバイクに乗るべきではありません。
あなたの将来の為にも、家族の将来の為にも、任意保険に入らずにバイクに乗るのは最悪の選択だと考えるからです。
バイクは大変すばらしい経験を与えてくれます。
だからこそ、万全の準備をして永く乗れるようにしましょう。
今だけを考えてはいけません。