バイク保険の人気ランキング 事故にあったライダーが評価する!
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この記事はバイク保険の人気ランキングを、普通とは少し違った視点から提示しています。

損害保険会社の人気ランキングの多くは、「契約した人」を調査対象に行われます。

ですが実際に保険を使った人、つまり事故にあって、保険金の支払いを受けた人を対象とした人気ランキングは、あまり多くありません。

バイク保険に限らず、損害保険の加入者の多くは、何もなく契約を終えます。

その点から見れば、保険料が安い保険会社が高評価を得るランキングにも意味があります。

しかし「万が一の時に役に立つのか?」という視点から導かれる人気ランキングこそ重要ではないでしょうか。

今回は実際に保険金の支払いを受けた方が、保険会社の対応・保険金の額・事故後のフォローなどを評価したランキングを読み解いてみます。

 

目次

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自動車保険の評価からみる【保険会社の本当の評価】

「バイク保険」に対象を絞った調査は大変数が少なく、オリコン社のデータしか公にはなっていません。

これはバイク保険の契約者数が少なすぎ、統計を取る意味も、データを集めるに十分な契約者数も無いからと思われます。

オリコンの調査結果は別の記事で分析しています。

詳しくは以下の記事をご参照下さい。
バイク保険の満足度ランキング

オリコンのランキング調査は、バイク保険を契約した人全体を対象に行われました。

その為に事故にあった時の対応よりも、契約手続きの手軽さや保険料の安さの方が、全体に与える影響が大きくなっていました

オリコン調査における事故前項目と事故後項目が占める割合:円グラフ

 

事故に遭う前の評価が全体の75%を占めるオリコン調査から、「事故にあった時の対応がどうであったか」を判断するのは少し無理があります。

そもそも事故の時に頼りにならない保険では、加入する意味が無いのですから、事故後の対応がもっと重要視されるべきなのです

しかし先に書きましたように、オリコン以外にバイク保険に特化した調査が行われていないので、今回の分析には自動車保険の調査結果を用います

自動車保険では、事故に遭い保険金を受け取った方のみを調査対象としたランキングが公表されています。

またそのランキングには、バイク保険を扱う保険会社の多くが含まれています。

さらにバイク保険と自動車保険の運営体制には、多くの共通点があることは言うまでもありません。

これらの理由から、自動車保険の評価ランキングをもとに、バイク保険の事故後対応ランキングを考えてみます

 

評価会社は米国のJ.D.パワー社

J.D.パワー社のトロフィー

この記事では、米国の市場調査・コンサルティング会社であるJ.D. パワー社のレポート「日本自動車保険事故対応満足度調査SM」に掲載された調査データを用いています。

 

この調査は毎年行われており、第8回目の調査となる2018年度調査では、4,635人の回答が反映されました。

調査項目は「保険金支払」「事故対応担当者」「事故受付体制」「調査/認定結果」「修理サービス」「代車/レンタカーサービス」の6点です。

この6点の調査内容が総合評価でどの程度重視されるのかについて、2013年の調査で明示されましたのでご紹介します。

先ほどのオリコンの調査データのグラフと見比べて頂ければ、この調査が事故後の対応に特化したものであることがお分かり頂けると思います。

jdpower社の調査結果グラフ 顧客満足度の構成要素

出典 : https://japan.jdpower.com/ja

保険会社が新規契約の勧誘時にセールスポイントとする、ロードサービスや修理対応が、全他の4%しか占めないというのが特徴的です。

 

最も人気がある保険は「事故を起こしたリピーターが多い保険」

次に調査に回答した方々が、何をもって「良い保険会社である」と評価したのかを見てみます。

2014年の調査で、事故対応における満足度が高いほど、再契約率も高いことが報告されました。

事故対応後、継続して同じ保険会社で契約している割合は業界全体で88%となっている。事故対応満足度の高低による継続契約率を分析したところ、相関することが明らかとなった。事故対応満足度が800 点以上の高い満足層の顧客が事故対応後も継続契約している割合は93%であるのに対し、500 点未満の低満足層の顧客の継続契約率は73%に過ぎない。損害保険会社の事故対応力は顧客維持に大きなインパクトを与えているといえる。

 

出典 : J.D.パワー アジアパシフィック 2014年日本自動車保険事故対応満足度調査SM

 

では、事故後の対応のなかで、最も評価される事柄とは何でしょうか? 次にこの点について見てみます。

 

すぐに連絡が取れる会社はリピーターが増える

「事故後の対応の中で最も高評価に繋がる要素は、事故の後にすぐ連絡が取れるかどうかである」と2015年の調査で報告されています。

 

当調査では担当者とのやりとりについてトラブルの有無を聴取しているが、業界全体で多く挙がったトラブルは「連絡が遅かった/催促した」であり13%の顧客が経験したと回答している。最も多く挙がった保険会社では20%にも及んでおり、最も少なく挙がった保険会社では2%のみであった。適切なタイミングでの経過報告の連絡実施は、各社間で差があり事故対応の品質の良し悪しにつながっていると考えられる。(中略)

保険会社への連絡のとりやすさが満足度や保険会社の推奨の意向にどのようなインパクトがあるのかについて分析したところ、「いつもすぐに連絡がとれた」と回答した顧客の満足度は781ポイントと大きく高まっており、周囲の人に「必ず勧める/たぶん勧める」という推奨の意向は71%と高い。一方、「すぐに連絡がとれないことが多かった」とした顧客の満足度は437ポイントと低調であり、推奨意向は21%にまで落ち込んでしまう事故解決に至るまでの顧客との連絡体制を整え、顧客を不安にはさせない対応を提供することが満足度を高め、さらには顧客の拡大にもつながることが明らかとなった。

出典 : J.D.パワー アジアパシフィック 2015年日本自動車保険事故対応満足度調査SM

これらの調査結果から、連絡が取り易いほどリピーターが増え、他の人に勧めたくなるということが分かります。

この点をJ.D.パワー社は重要な要素として取り上げています。私がJ.D.パワー社の評価ランキングを保険会社の人気ランキングと捉えている理由もここにあります

一回契約した人が事故の後でもう一度その保険を選ぶこと、つまり『リピーターが多い保険会社こそが人気がある保険会社』と判断しているのです。

それでは会社別の評価を見てみましょう。

 

保険会社別の満足度推移

J.D.パワーの調査結果は1000点満点での点数制となっていますが、この記事では業界平均値と各社のポイント数の差に着目しました。

平均より常に高いポイントを得ている保険会社は、保険の継続率が高いだけでなく、他のライダーに対して「良い保険だ」と勧める可能性も高くなると考えられるためです。

その結果は以下の通りです。

グラフはクリックで拡大可能

AIGの2013年~17年は18年に吸収合併した富士火災のデータを用いています。
損保ジャパン日本興亜の2013年~14年のデータは、損保ジャパンと日本興亜の合併前なので反映していません。

 

一目見て、業界平均より下にある会社の比率が高くなっているのが分かります。

その原因は、常に高い評価を得て業界平均値を引き上げている、ソニー損保がグラフに含まれていないためです。ソニー損保はバイク保険を提供していませんので、このグラフには掲載していません。

この評価は自動車保険への評価ですが、主商品である自動車保険での対応が平均以下の会社が、バイク保険の事故対応だけ平均値を上回るとは思えません。バイク保険契約者としては、もう少し上振れて欲しいと感じます。

なかでも三井ダイレクトあいおいニッセイ同和アクサダイレクトの3社は平均値以下の常連です。保険会社を選ぶ際にこの結果は無視できません。

一方で東京海上日動が常に良い評価を得ています。AIG(旧富士火災)も2017年には低迷しましたが、その他は高評価です。損保ジャパンも平均値を下回りません

実はこれら3社はネット経由の契約ではなく、保険代理店を通じて契約する保険会社なのです。保険代理店が間に入ることで、行き届いたサービスが提供できている結果、このような高評価を得ていると考えられます。

但し代理店方式が常に良いとは限りません。その証拠に同じ代理店方式であるあいおいニッセイ同和は常に平均値以下ですし、三井住友海上も近年下落しました。

 

ネット系の保険会社ではチューリッヒが健闘しています。継続的に評価を上げてきていますが、2018年には残念ながら急落してしまいました。次回の調査の結果が注目されます。

三井ダイレクトアクサダイレクトは更なる努力が必要でしょう。安値の追求だけでは顧客は繋ぎ止められません。

 

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新規契約者と、事故経験者の評価の違い

新規契約者と事故経験者の評価の違いを見るために、「バイク保険の満足度ランキング」に掲載した満足度評価一覧を再掲します。

この表の元になっているオリコンの調査は、2017年に行われています。その際の総合順位は次の通りです。

総合順位保険会社名30代40代50代以上加入・更新手続き商品内容充実度保険料事故対応調査・認定結果受取額・支払いスピードサポートサービス
1チューリッヒ統計なし111112121
2三井ダイレクト1532225613
3アクサダイレクト2223433332
4東京海上日動3(同率)344341244
5損保ジャパン日本興亜6467556565
6あいおいニッセイ同和3(同率)775774776
7三井住友海上5556667457

 

この調査を事故対応評価で並べ替えると、順位はこのようになります。

1.東京海上日動   (総合 4位)
2.チューリッヒ  ( 〃  1位)
3.アクサダイレクト( 〃  3位)

同じく調査・認定結果の順位は以下の通りです。

1.チューリッヒ (総合 1位)
2.東京海上日動   ( 〃  4位)
3.アクサダイレクト( 〃  3位)

 

一方でJ.D.パワー社の2017年評価では

1.チューリッヒ
2.東京海上日動
3.損保ジャパン

となっており、オリコンでランクインしているアクサダイレクトは平均値を下回る6位でした。

 

2018年の調査結果ではチューリッヒ急落 東京海上が返り咲き

最後に2018年の全ての会社の評価結果をご紹介します。

2017年で最高位を記録したチューリッヒですが、2018年調査では急落し、一気に平均値を下回ってしまいました。

一方で東京海上は安定した高評価を記録しています。

 

2017年から2018年にかけて評価が急落したチューリッヒですが、2017年までは継続して評価を上げてきていましたので、2019年の調査結果に注目したいと思います。

2019年の評価でも平均値を下回るなら、2016年と2017年の評価は一時的な現象と言われてしまうでしょう。そうならないように期待しています。

 

事故経験者の評価から見る、バイク保険の選び方

自動車保険の事故後対応評価から、バイク保険会社の評価を導いてみましたが如何でしたでしょうか。

事故後の評価では代理店系損保の老舗である東京海上日動やAIG損保、損保ジャパン日本興亜が高評価を得ていました。ネット系ではチューリッヒの努力を伺い知ることが出来ました。

しかし保険会社を決める要素は事故後対応だけではありません。その他の人気ランキングで評価されている価格や手続きのし易さなども検討するうえでの重要なポイントです。

幾ら良い保険会社でも保険料が払えなければ、付けられる補償が手薄になってしまいます高評価を追求するがあまり、高額な保険を契約するのではなく、自分にとって何が重要かを判断することが大切なのです。

保険会社を選ぶ際には先ず見積もりを取りましょう。その上で保険会社を絞り込む際にこの評価を参考にして下さい。

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