オリコンがバイク保険のランキングを公表しました。
調査はチューリッヒ、三井ダイレクト、アクサダイレクト、東京海上日動、損保ジャパン日本興亜、あいおいニッセイ同和、三井住友海上の10社を対象に行われています。
過去5年以内に実際にバイク保険を利用した、3,603名の回答を元に作成しているとのこと。
加入実績のランキングは巷に多くありますが、実際に保険を契約した方や、サービスを使った方から得たデータをもとにした集計は貴重です。
特に、実際に事故あった方が、その後の保険会社対応を評価している点は、あまり例がなく、利用価値が高い統計となっています。
この統計を詳しく見ていくと、面白い傾向が見えてきました。
オリコンサイトはこちら
目次
バイク保険の満足度ランキングデータ
オリコンの調査は「保険料」「事故対応」「年代」など様々な角度から行われているので、色々な側面からの比較検討が可能です。
しかし一方で、切り口が複数あるがために、全体像が見えにくくなっています。
そこで全体像を見えやすくするために、調査項目ごとの順位を表にまとめました。
この表は各項目で並べ替えができます。表の幅が画面に入り切っていない場合には、右にスライドしてご覧ください。
総合順位 | 保険会社名 | 30代 | 40代 | 50代以上 | 加入・更新手続き | 商品内容充実度 | 保険料 | 事故対応 | 調査・認定結果 | 受取額・支払いスピード | サポートサービス |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
1 | チューリッヒ | 統計なし | 1 | 1 | 1 | 1 | 1 | 2 | 1 | 2 | 1 |
2 | 三井ダイレクト | 1 | 5 | 3 | 2 | 2 | 2 | 5 | 6 | 1 | 3 |
3 | アクサダイレクト | 2 | 2 | 2 | 3 | 4 | 3 | 3 | 3 | 3 | 2 |
4 | 東京海上日動 | 3(同率) | 3 | 4 | 4 | 3 | 4 | 1 | 2 | 4 | 4 |
5 | 損保ジャパン日本興亜 | 6 | 4 | 6 | 7 | 5 | 5 | 6 | 5 | 6 | 5 |
6 | あいおいニッセイ同和 | 3(同率) | 7 | 7 | 5 | 7 | 7 | 4 | 7 | 7 | 6 |
7 | 三井住友海上 | 5 | 5 | 5 | 6 | 6 | 6 | 7 | 4 | 5 | 7 |
オリコンランキングは、保険選びを誤らせる
最初から弱点を書くのは少々気が引けるのですが、この表を見るうえで重要なポイントなので記します。
回答者が重要視した項目も公表されているのですが、その順位に問題があるのです。
バイク保険 利用者3,603人が重視した項目
1 | 加入・更新手続き | 26.06% |
2 | 保険料 | 19.93% |
3 | 商品内容の充実度 | 17.35% |
4 | サポートサービス | 11.87% |
5 | 事故対応 | 11.11% |
6 | 受取額・支払いスピード | 8.78% |
7 | 調査・認定結果 | 4.9% |
やむを得ないとは思いますが、この順位は保険を選ぶ際、評価する際に重要視しなければいけない順位と、あまりにもかけ離れています。
お金の絡むことなので一概には言えませんが、保険の専門家としての意見を言わせていただくと、本来の順位はこのようになるべきです。
正しい優先順位 | 項目 | オリコンでの優先順位 |
1 | 事故対応 | 5 |
2 | 調査・認定結果 | 7 |
3 | 受取額・支払いスピード | 6 |
4 | 商品内容の充実度 | 3 |
5 | 保険料 | 2 |
6 | サポートサービス | 4 |
7 | 加入・更新手続き | 1 |
実際の順位は、正しい順位の全く逆とまでは言いませんが、それに近いものとなっています。
事故対応や調査認定結果は、実際に事故にあった方しか評価できないので、回答数が少なかったのかもしれません。そう考えると致し方ない結果とも言えます。
率直に言えばこの統計は回答者の優先順位を理解したうえで見ないと、保険選びの判断を誤らせる内容となっています。
バイク保険で最も重要な事故後対応では、東京海上が善戦
保険として最も重要である、事故対応力や調査・認定結果を基準に考えると、総合順位は全く変わってしまいます。
事故対応の順位
1.東京海上日動 (総合 4位)
2.チューリッヒ ( 〃 1位)
3.アクサダイレクト( 〃 3位)
調査・認定結果の順位
1.チューリッヒ (総合 1位)
2.東京海上日動 ( 〃 4位)
3.アクサダイレクト( 〃 3位)
このように東京海上日動が高評価を記録しています。事故後の対応は経験値がモノを言う分野ですので、さすがは老舗企業と言ったところでしょうか。
これら2つの項目は、実際に事故にあった方でないと評価が出来ませんので、回答数はかなり少ないと想像できます。総合順位への影響も限定的でしょう。ですが保険検討の際には重要視すべき項目です。
バイク保険の人気ランキング 「事故を起こしたリピーター」の評価から
若い人のバイク保険会社への評価はさらに異なる
この調査には20歳代が含まれていません。私としては20歳代もぜひ知りたいのですが残念です。
30歳代で見てみるとこのようになります。
30歳代の評価順位
1.三井ダイレクト (総合 2位)
2.アクサダイレクト ( 〃 3位)
3.東京海上日動 ( 〃 4位)
驚くのは、総合1位のチューリッヒの統計が無いことです。
統計が無い理由は定かではありませんが、バイク保険 おすすめランキング 2018でも記したとおり、チューリッヒは若年層を顧客ターゲットとは位置付けていない節が有ります。その辺に原因があるのかもしれません。
バイク保険、目先の便利さも重要だけれど。。。
言うまでもないことですが保険は「使われないことが最も良い」という、ちょっと変わった商品です。
なので目先の便利さや、料金の安さに目が向いてしまうのも分かります。
ですが、万が一の時に頼りにならないのでは、話になりません。
その点をキチンと認識したうえで、保険は検討しましょう。
オリコンのサイトでは各保険会社の評価点数が確認できますが、極めて点数の悪い保険会社は存在しないということを、最後に記しておきます。
各保険会社の差はさして大きなものではありません。
問題とすべきは、評価した側の優先順位(=視点)でしょう。