バイクの保険はドライバーだけでなく、同乗者も補償します。
しかし誰が乗っていたかによって補償の内容が変わってきますので注意してください。
目次
先ず知って欲しい 保険は組み合わせで出来ている
少し遠回りですが、バイク保険に含まれる保険の内容を再確認しましょう。これが分かると、その後の記述が理解しやすくなります。
一口にバイク保険と言っても、実際には幾つかの補償の組み合わせで出来ています。バイク保険の場合、主には次のような保険の組み合わせとなっています。
① 他人に対する賠償責任を補償する
対人賠償保険、 対物賠償保険
② 自分のケガ、後遺障害、死亡を補償する
搭乗者傷害保険、人身傷害保険
③ 自分のバイクの破損を補償する
車両保険
このように様々な保険が組み合わさっているため、時には1人のケガに対して2つ以上の保険が使えたりします
例えば友人を後ろに乗せて事故に遭い友人のケガに対しての賠償責任を負った場合は対人賠償保険が使えます。更にバイクに乗っていた人物のケガという事で、搭乗者傷害保険と人身傷害保険も使えます。
このように1つのバイク保険は複数の保険の組み合わせでできています。
賠償について覚えておきたいこと
ここで賠償について覚えておいて欲しいことがあります。
賠償とは他人の体や物に対して与えた損害に対して、お金で償うことを言います。
ここで「他人」となっていることがポイントです。では誰が他人ではないかと言うと、「同じ財布で生活している人」が他人ではありません。
何故かと言うと、同じ財布で生活している人が賠償金の授受を行っても、財布の中の現金の量は変わらず、賠償金が無かったのと同じになってしまうからです。賠償金を払っても意味が無いのです。
法律では誰が同じ財布で生活している人、つまり他人ではない人が決められています。
1.本人
2.本人の配偶者
3.1.又は2.の同居の親族
4.1.又は2.の別居の子
これらの人にケガを負わせた場合には、任意保険の対人賠償は使えないので、搭乗者傷害保険と人身傷害保険からの補償となります。
自賠責保険と任意保険は考え方が違う
実は自賠責保険だけは家族であっても損害賠償保険が使えます。これは任意保険と自賠責保険の考え方の違いによります。
自賠責保険は交通事故被害者の救済を目的としています。そのため事故の被害者に対しては、加害者との関係性に関係なく補償を行うのです。
一方で任意保険は被害者の救済と言うよりも、保険加入者の救済を目的にしています。そのため家族間賠償は成り立たないという考えに基づき、家族への賠償責任を補償しないのです。
同乗者と本人の関係から見る、バイク保険の補償範囲
以上をまとめると次のようになります。
保険の種類 | 補償の内容 | 家族への補償 | 他人への補償 |
自賠責保険 | 対人賠償 | 可 | 可 |
任意保険 | 対人賠償 | 不可 | 可 |
対物賠償 | 不可 | 可 | |
搭乗者傷害 | 可 | 可 | |
人身傷害 | 可 | 可 |
細かな説明となりましたが、大変重要なポイントですから、是非覚えておいてください。