この特約を付けると、保険の対象となる範囲を「保険会社に伝えたバイクに乗っている間だけ」と制限し、人身傷害補償の保険料を引き下げることが出来ます。
しかしこの特約を検討する際には「乗っている間だけ」の意味に注意して下さい。この特約を付けると、文字通り「乗っている間」に起きた事故でないと補償されなくなるのです。ツーリング途中の休憩中、つまりバイクから降りている間の事故は補償されませんので注意してください。
「バイクを降りている間に事故になんて遭うわけがない」と思うなかれ。
例えばこの事故です。
2018/4/30(月)
【仲間を助けようと…男性はねられ死亡 東名高速】
神奈川県綾瀬市の東名高速で多重事故があり、男性1人が死亡しました。
事故に遭った仲間を助けようとして、車にはねられたとみられています。
警察によりますと、29日午後2時半ごろ、綾瀬市の東名高速上り線で車同士の追突事故があり、後ろから来たワゴン車がこれを避けようと停車したところ、さらに後ろから走って来たバイクが追突しました。
このバイクの男性が中央分離帯に避難したため、一緒に走っていたツーリング仲間数人が、バイクを降りて駆け付けました。
そこに後ろから来た別の車が突っ込み、40代の男性が死亡しました。
他に2人がケガをしています。
警察は、最後に突っ込んだ車を運転していた会社員の男を逮捕し、事故の状況を詳しく調べています。
引用元:テレビ朝日 news
この事故でケガをしたライダーがもし「人身傷害保険」を契約していた場合には、突っ込んだ自動車のドライバーが任意保険に加入していなくても、自分の保険から補償が得られます。
ですが、「搭乗中のみ補償特約」が付いていると、事故がバイクから降りているときに起きているために、補償外とされる可能性があります。「搭乗中のみ補償特約」とはこのような意味であることをご理解下さい。
決してこの特約を否定している訳ではありませんが、このような制限が加えられることは、知っておいた方が良いでしょう。
実は自動車保険に加入しているか、他のバイクでも保険に加入している場合には、この特約を使うことで全体の保険料を下げられます。
契約している保険のうち、1台を除いてこの特約をセットするのです。
そうすると、バイクや車から降りている間の補償の重複を避けることができすのです。
インターネットでの保険契約は大変簡易ですが、以前は保険代理店が担っていた「専門用語を説明する」という機能が損なわれている部分が有ります。
安さと引き換えに、加入者がその部分を引き受けていることを認識しましょう。
分からない言葉は保険サイトに詳しい記載が有りますし、当サイトの「バイク保険の基礎用語」では用語の説明だけでなく、それに関連した注意事項も記載していますので、これらを活用し、誤解のない保険契約を行ってください。