バイクの右直事故の防止対策
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右直事故はバイクにとって最も被害が大きくなり易く、発生頻度が大きい事故です。

ですがその発生事例を見ていくと、「バイクが来ているのは知っていた」と証言するドライバーが多いとのこと。

どうしてバイクが来ていることを分かっているのに、事故になるのでしょうか?防ぎようは無かったのでしょうか?

 

目次

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右直事故を起こしたドライバーの証言

先ずはバイク相手に右直事故を起こした、タクシー運転手の証言を引用します。

「対向してくるオートバイの進行をじゃましないで十分に曲がれると思って右折を始めた。そして反対車線を遮るような位置まできたとき『ドーン』という音が聞こえた。さっき確認した2台のオートバイが事故を起こしたんだと思った。その瞬間は、自分のタクシーに衝突したとは考えもしなかった。でも、すぐに事故は自分のクルマだとわかった。乗っていた乗客も前方から走ってくるオートバイの姿を確認していて、事故直後に『楽に曲がれると思ったのに』と驚いていた」

出典: 交通安全時評

どのように感じましたか?

「バイクが突っ込んできた」、事故後にそう証言するドライバーが多いそうです。

右直事故ではライダーが死亡するケースも少なくないので、ドライバーの意見がそのまま通ってしまうことが多いと聞いています。

見えているのに事故になる

大変恐ろしい事実ですが、見えているなら防げるはずです。

 

自動車のドライバーは全員バイク音痴である

先ずライダーは「車の運転者はバイクのことを何も知らない」と考えて下さい

バイクは車体が小さいので実際より遠くに見えるとか、車ほど急停止は得意ではないとか、事故をしたら重大な危険があるとかです。

ライダーにとって当たり前のことを、バイクに乗らない方は全く知らないのです。

私たちもバイクに乗るまでは知らなかったはずです。

「車の運転者はバイクのことを何も知らない」と理解するだけで、危険察知能力が格段に上がります

 

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公道では相手を信用しない

公道で相手を信用してはいけません。

そもそも見ず知らずの方に命を預ける判断をしてはならないのです。

右直事故を防ぐ責任は右直する側にあると思います。先ほどのタクシーの事故では車側に責任が有ります。

ですが事故で最も傷つくのはライダーなのです。責任がどちらにあるとしても、ライダーが自衛しなければ話になりません

右直事故の被害に遭わないためには、とにかく相手を信用しないこと。

「右折自動車は止まってくれない」と考えて、急停止可能な速度まで減速すること。これしかありません。

稀にバイクが減速したのを見て右折してくる車もいますが、たいていの場合には停止したまま待ってくれます。待ってくれることが確認出来てから、交差点を通過しましょう。

時間にしてほんの数秒です。

ほんの数秒で命を削る危険性を少なく出来るなら、なんて効率のいい対策でしょうか

行わない手はありません。

 

ドライバーの視線を見る

交差点で右折車を見つけたら、右折するドライバーの視線に注目しましょう。

右折しようと待っている時、ドライバーは貴方を見ているはずですが、もし貴方から視線を外し、曲がる方を見ていたら、右折を開始する可能性が高いです。

そのような時は、直ぐに回避できるスピードまで減速しましょう。

 

他の車を盾にする

2車線道路であれば、他の車と並走する。1車線道路なら他の車に引き続いて渡るなど、他の車を盾や目印に使いましょう

この考え方は「渡れるかどうか」の判断にも役立ちます。

並走している車が交差点前で減速したら、自分も併せて減速しましょう。間違っても自分だけ交差点を渡ろうとしてはいけません

この図を見てみて下さいどちらが近くに見えますか?

 

警視庁HPより引用

横断歩道の位置から分かるように、どちらも同じ場所にいます。ですが、バイクの方が遠くにいるように見えます。

これが「見えているのに事故になる」パターンの根本原因なのですが、車とバイクが並走していて、車だけが減速するとその危険性が急に高まります。

右折しようとしているドライバーは「バイクも止まる」と思うと同時に、「バイクの方が遠くにいる」と誤認するのです。

これは危険です。

交差点の手前で近くを走る車が減速したら、最大限の注意を払ってください。

 

車の死角に入らない

死角に入り易いのは、このような状態になったときです。

 

この場合、車Aとバイクはお互いが見えにくくなります。特に車Bが大型車である場合には全く見えません。

このような時には、Aの位置に車がいるかどうかが見える場所で一旦停止出来る速度で走行してください。

それ以外に事故を防ぐ方法は有りません

また、車Bが停止か徐行している場合、その直前を歩行者が横断している可能性があります。

もし歩行者がいたなら、自分が歩行者を轢いてしまうことすら起こり得るのです。

 

注意することを当たり前にしよう

公道では相手を信用してはいけません。

「全てのドライバーは無謀な運転をする」位に考えて丁度良いのです。

そのような走り方をやぼったいと思う方もいるでしょう。ですが試しに1週間行ってみてください。そうすれば気にならなくなります。

運転には多分に「クセ」の要素が有ります。意識して1週間も続けていると、交差点で減速すること、相手の目線を確認すること等が「クセ」になってきます。

そうすれば特に意識しなくても、事故の危険性を減らせるようになります。

 

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