原付にバイク保険は必要ですか？

「原付にはバイク保険は要らないんじゃないでしょうか？」「入らないといけませんか？」という質問を頂くことが有ります。
この質問、本当に多いので、キチンとお返事させていただきます。

自賠責保険は何をしてくれる保険？

先ずちょっとしたクイズです

次の中で、自賠責保険（強制保険）でカバーされるものはどれでしょう？

• 原付ですり抜けをしてて、うっかりこすってしまった車のドアのキズ
• 雨で滑って転んだ時のケガの治療費
• わき道から急に出てきた車にぶつかった時の、バイクの修理代
• 信号無視で横断歩道を渡ってる人を避けようとして転んだ時のケガの治療費
• 駐車場内で車とぶつかって転倒したときのケガ

 

如何でしょうか。いくつになりましたか？

「原付にバイク保険は必要ですか？」と質問される方の多くは、次の3つが補償されるとお答えになります。

• 原付ですり抜けしてて、うっかりこすってしまった車のドアのキズ
• 信号無視で横断歩道を渡ってる人を避けようとして転んだ時のケガの治療費
• 駐車場内で車とぶつかって転倒したときのケガ

多い方だと5つ全部とお答えになる方もいます。

 

自賠責保険は全く役に立たない？

正解は「ゼロ」です。

実はどれも自賠責保険ではカバーされません。

 

自賠責保険が役に立たないと言われる理由

それでは5つのケースがカバーされない理由をそれぞれ解説します。

原付ですり抜けしてて、うっかりこすってしまった車のキズ

この理由はシンプルです。人への被害ではないからです。
物の被害はそれが加害者の物でも被害者の物でも自賠責からは一切保証されません。

ちなみに、こすったドアの傷の修理費は幾らかご存じでしょうか。

もちろん車種によっても違いますが、30万から100万は覚悟した方がいいと思います。

自分の車の傷を修理したことが有る方はご存知と思いますが、こすった程度のキズであれば、多くても２～３万円で修理できます。

ではなぜ、30万以上もするのでしょうか。

それは被害者が「完全に元通り」を希望するケースが有るためです。

そうするとドアの交換が必要となるのですが、被害者は「どうせ保険が払うんでしょ」と考えます。

修理見積をだす修理工場も、値引きなど考える必要が有りませんから、躊躇なく金額が提示されることになります。

 

雨で滑って転んだ時のケガの治療費

この場合には、相手がいない点がポイントです。

自賠責で補われるのは、交通事故の被害者のケガのみです。

交通事故は道路上で起こる相手がいる事故のことを言います。

自分で勝手に転んだ事故では相手がいません。

つまりこのケースでは被害者ではないので、保険の対象にはならないのです。

 

わき道から急に出てきた車にぶつかった時の、バイクの修理代

この場合には、バイク側が被害者として扱われる可能性が高いでしょう。

ですが、バイクの被害は「物」なので、自賠責保険では補償されません。

もし相手の車が自賠責保険とは別に任意保険に入っていれば、任意保険の対物賠償から補償が得られます。

尚、この事故でバイク側がケガをしたのであれば、その治療費は「被害者の体への被害」として自賠責保険の対象となります。

 

信号無視で横断歩道を渡ってる人を避けようとして転んだ時のケガの治療費

この事故の場合には、バイク側に責任が有るとされる可能性が高いです。

歩行者が相手が信号を無視していたとしても、車両を運転する者は歩行者の安全を最優先する義務を負っているので、車両側の責任の方が重くなるのです。

その結果、自賠責の対象外とされるでしょう。

それに加えて、自賠責は「自動車の運行で他人を死傷させた場合の人身事故による損害について支払われる保険」とされています。

あくまで自分の車で他人に被害を与えた時にその他人を救う保険なのです。

相手が歩行者であれば、自賠責保険には入っていません。

ですからあなたのケガを補償する自賠責保険が存在せず、補償も無いのです。

 

駐車場内で車とぶつかって転倒したときのケガ

この場合は道路ではないところで起きていることがポイントです。

道路以外での事故は「交通事故」とはなりません。

自賠責は「交通事故の被害者を救済する」保険です。

ですから、交通事故と扱われない駐車場内などでの事故に対して、自賠責保険の適用は有りません。

 

自賠責保険にカバーできなくて、任意保険にできるもの

如何でしょうか。

自賠責保険が如何に範囲が狭い保険であるか、お分かり頂けたでしょうか。

このように任意保険には足りない部分がたくさんあります。

この足りない部分を補うのが任意保険（バイク保険）なのです。

最後に、自賠責保険にカバーできなくて、任意保険ならカバーできるものをいくつかご紹介します。

 

 

バイク保険は自分の為の保険です。

よくよくご検討を。