FPならこう見直す バイク保険と自動車保険 ②
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【バイク保険・見直し実況解説】の第2回です。

バイクの使用状況を確認したら、次に必要な保障を検討します。

今回から少し保険用語が多くなりますが、出来るだけ説明サイトへのリンクを張っています。

聞き慣れない用語は、リンク先を参照してください。

どの用語もバイク保険や自動車保険を理解するには欠かせないものですので、ここでまとめて知ってしまいましょう。

 

この記事は「FPならこう見直す バイク保険と自動車保険 ①」の続きです。

 

目次

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自分に必要な保障内容を考える その2

記載いただいたシートから色々なことが分かります。

  • 車の利用頻度は少ないが、バイクは毎週のように乗る。
  • 車もバイクも遠距離へ行くことはそう多くない。
  • 車もバイクも運転は自分しかしない。

 

これ以外にもご本人より以下のことを教えていただきました。

  • バイクに誰かを乗せることはまず無いし、貸すことも借りることも無い。
  • 車は家族旅行で使うので、家族は乗せる。稀に親戚も乗るが、自分以外が運転することは無い。
  • 以前はゴルフを行っていたが、今はあまりしない。そのため車に高額なものを積むことは先ず無い。

 

これらの情報をもとに、先ずは最適な内容を考えてみます。
考える際には、「相手への補償」「自分への補償」「車両保険」「ロードサービス」に分けて考えるのがコツです。

Tさんから教えていただいた諸条件から、保険選定の際に考慮できる事項が見えてきました。

FPとしては、この時点で以下のようなことを考えていました。

●車の利用頻度は少ないが、バイクは相当に多い

バイクの年間走行距離が長いため、バイク保険料が高額になる可能性が有る。これを防止する為には、走行距離による保険料の差が無い、三井ダイレクトと全労済を候補に入れると良いだろう。

●車もバイクも遠距離へ行くことはそう多くない

ロードサービスの無料レッカー距離はあまり考えなくて良さそうだ。バイクの年式が新しく、故障リスクが少ないこと、車は多少古いが年間走行距離が少ないことからも、この方向性は間違ってないと思う。

●車もバイクも運転は自分しかしない
●バイクに誰かを乗せることはまず無いし、貸すことも借りることも無い
●車は家族旅行で使うので、家族は乗せる。稀に親戚も乗るが、自分以外が運転することは無い

車もバイクも運転者限定特約が使える。これにより補償内容を下げずに、保険料を下げられるはずだ。

●以前はゴルフを行っていたが、今はあまりしない。そのため車に高額なものを積むことは先ず無い

携行品特約は不要としてよさそうだ。

 

事故の相手への補償を考える

ここで検討する項目は次の通りです。

対人賠償責任保険

事故の相手が身体的に負った被害を補償します

対物賠償責任保険

事故によって壊れた物(自分の物は除く)を補償します

先ず事故の際の相手への補償を考えますが、これら必ず「対人賠償=無制限、対物賠償=無制限」を選択頂いています。

この2つを無制限にしないと、任意保険に入る意味が有りません

事故により多額の賠償金を負うと、その後の人生がメチャメチャになります。

対人賠償補償額と対物賠償補償額は無制限とする

ご存じない方も多いのですが、自動車保険もバイク保険も約款にこのように書かれています。
賠償金額が保険金額を上回る場合、保険会社は示談交渉を行えません

これは弁護士法によって定められた規制に基づくもので、保険会社の意思ではありません。

例えば対物賠償1億円で契約した方が事故を起こし、賠償の額が1億円を超えると判断された場合には保険会社は示談交渉が出来なくなります。

そうなると全て自分で交渉しなければなりません。

これでは任意保険に加入する意味が有りません。

(示談に関する制限についてはこちらを参照してください : 示談交渉サービス

対人賠償と対物賠償は必ず無制限を選択しましょう

そうすれば、保険会社が交渉できないということは起きません。

因みにこの2つの補償内容を削っても支払う保険料はあまり大きく変わりません。

Tさんは以前から車、バイク共に無制限を選ばれていましたので、そのままの条件とします。

決定!
●自動車保険
対人賠償保険 : 無制限
対物賠償保険 : 無制限
●バイク保険
対人賠償保険 : 無制限
対物賠償保険 : 無制限

 

自分への補償を考える

さて、任意保険選びで最も重要で最も悩む部分です。

ここで検討する項目

自分のケガや死亡に対しての補償額を幾らに設定するか

先ずは自分への補償である、搭乗者傷害と人身傷害の違いをおさらいしましょう。

搭乗者傷害と人身傷害の違い

搭乗者傷害を付けると

ケガをすると、直ぐにお見舞金が出る。

人身傷害を付けると

ケガの治療費だけでなく、精神的苦痛や仕事が出来なかったことによる損失まで補償されるが、支給までに時間がかかる。

(詳しくはこちらを参照してください)

これらのどちらを付けるか、あるいは両方付けるかは年齢、家族構成、貯蓄状況によって決めていきます。

付保金額も同様です。

先ず検討に必要な数字を算出します。

必要補償額の算定に必要な数字

1.自分が今死んだら、その後の家族の生活費は幾らあれば良いか?
2.その為の蓄えはどの程度あるか?

 

自分が死んだら、その後の家族の生活費は幾らあれば良いか?

この算出はかなり面倒くさいです。しかしとても大切です。

自動車保険やバイク保険はともすると「事故への備え」とみられがちですが、実際には自分や家族の将来への備えなのです。

生命保険と全く同じ視点で選ぶことが必要です。

本来この計算は、個々人に合わせた分析表を作ってキチンと行うのですが、とりあえずの金額であれば次の数式で出すことが出来ます。

生涯の必要生活費 =(今の年間生活費×子供が自立するまでの年数)+(今の年間生活費の半額×子供自立後に配偶者が80歳になるまでの年数)

(年間生活費は銀行口座から1年間に引き落とされた額を用いれば、ほぼ把握できます。)

もちろんこれ以上に生活費は必要ですが、カバーする方法は他にもあります。

【詳しくは「6つのステップ」の4番目「今契約している他の保険を確認する」でご説明致します。】

Tさんの必要金額を計算したところ、生涯の必要生活費は1億2000万円となりました。

尚、この計算式ですと未婚単身の方は結果がゼロになりますが、それはそれで一旦記録して下さい。

 

家族の生活の為の蓄えは自分にどの程度あるか?

次に現在の資産を計算します。ひとまず現在の資産額を大まかに把握して下さい。

預金であれば、現在の残高、

株式などの投資商品は時価、

貯蓄性の保険は、現時点での解約返戻金です。

これらをすべて足します。

 

ローンを組んでいる方は、資産の合計額からローンの残金を引いてください。

但し自分名義の住宅ローンは引かないで結構です。

住宅ローンには団体信用保険が付いていて、債務者が死亡するとその後の返済が免除されるためです。

現在の資産額 = 銀行残高+金融商品時価+保険解約返戻金-住宅ローン以外のローン残高

 

必要な補償額を算出する

家族に必要な生活費と現在の資産額の差が保険でカバーしたい金額です。

必要な補償額 = 生涯の必要生活費 - 現在の資産額

どうでしょう、既婚者の方はかなり大きな額になると思います。独身者の方はマイナスになるかもしれません。マイナスになる方は死亡後にお金を残す必要が無い方ですが、ケガへの補償は必要ですので保険が不要ということにはなりません。

家族持ちの方は金額が大きくなりますが心配しないでください。この金額は後で調整しますので、いったんはそのまま置いておいてください。ちなみにTさんの金額は1億円でした。

必要補償額の算定式

必要な補償額 = 生涯の必要生活費 - 現在の資産額

生涯の必要生活費 =(今の年間生活費×子供が自立するまでの年数)+(今の年間生活費の半額×子供自立後に配偶者が80歳になるまでの年数)

現在の資産額 = 銀行残高+金融商品時価+保険解約返戻金-住宅ローン以外のローン残高

尚、この金額をどのような保障でカバーするかについての検討は、もう少し先まで保留します。

ここでは必要な保険額を把握できればOKです。

決定!

●自動車保険 バイク保険共
自分の死亡・ケガに対する必要補償額:1億円

FPならこう見直す バイク保険と自動車保険 ③」に続きます。

保険の見直しを行う為には、現在の資産状況や将来のライフプランニングとセットで考えると最大の効果が得られますので、ご興味が有れば、FPへ相談してみてはいかがでしょうか。

FPのチカラ

一口にFP資格と言っても実際には様々なランクが有ります。FP選択に迷ったら、最上位の資格であるCFPかFP1級の保有者を選んでください。因みに私は上からCFPの下のAFPです。 AFPでもこの程度の見直しは出来ると捉えて頂ければと思います。

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